「循環器内科と小児科の2科それぞれが実施資格を有し、
2科の連携によって最適かつ安全な治療を提供することが可能」
「心房中隔欠損症教育担当医師(100例以上の治療実績)が在籍」

心房中隔欠損症

心房中隔欠損症とは

右心房と左心房を隔てる壁(心房中隔)に穴があいている、成人で最も多い先天性心疾患です。正常心では、肺に流れる血流と体に流れる血流は1:1ですが、心房中隔欠損症では欠損孔を介して左心房から右心房へと血液が流れ、肺へ流れる血液が多くなります。その結果、右心系と肺循環に負担がかかります。心臓は容量を大きくしたり筋肉を肥大させることで、この状態に適応しているため、重症を除く多くの方が子供の頃から症状なく経過しています。しかし、年齢を重ね心臓の負荷が表面化してくると、息切れや動悸、不整脈、心不全などを呈するようになり、治療が必要な状態となります。

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対象

肺に流れる血液と体に流れる血液の比が1.5を超えている、もしくは心臓の右側の部屋(右心系)が大きくなっている場合、脳梗塞の原因である場合は、閉鎖適応となります。

国内実績

従来、心房中隔欠損症・卵円孔開存症は開胸手術でしか治療できませんでしたが、近年はカテーテル閉鎖術で安全に治療できるようになりました。心房中隔欠損症に対しては世界各国で30万件以上、国内では1年間に約1000-1200件の治療が行われております。

当院実績

当院循環器内科では2013年5月にこの治療を開始し、2019年9月までに102例の患者様に治療を施行しております。術後の早期回復(術後在院日数は4-5日)を実現しております。また、初期治療成功98.0%、術中合併症0.019%、術後の30日死亡0%と高い手技成功率を維持しております。

卵円孔開存症

卵円孔開存症とは

心房中隔がトンネル状に開いたり閉じたりしている状態のことをいい、健康な成人の約2割に存在すると言われています。通常、卵円孔開存が存在しても問題はありません。しかし、咳や排便などのお腹に圧力のかかる状況では、足などの静脈にある血の塊が卵円孔を通過して頭の血管に到達し、脳梗塞(奇異性脳梗塞といいます)、頭痛、めまい、視野異常などを起こします。

対象

卵円孔開存が原因である脳梗塞、頭痛などがある場合は閉鎖の適応となります。

国内実績

2019年末から卵円孔開存に対する専用デバイスが日本において臨床使用(保険診療)可能となりました。当院は、国内でもいち早く2020年1月からその使用がされております。

責任者のメッセージ

心房中隔欠損症のカテーテル閉鎖術は、学会による厳しい審査をクリアした認定施設・医師のみ治療を行うことができます。当院は、循環器内科と小児科の2科がそれぞれ実施資格を有し(日本で5施設のみ)、チームで患者様に最適かつ安全な治療を提供することが可能です。心房中隔欠損症教育担当医師(100例以上の治療実績)も在籍しており、この治療において日本をリードしております。また治療時には、局所麻酔・全身麻酔を選択していただけます(患者様によってはお選びいただけないこともあります)。お困りの方はいつでもご相談下さい。

卵円孔開存症の専用デバイス(機具)が2019年5月末に国内でも新しい医療器具として正式に承認されました。来年には卵円孔開存に対する専用デバイス(機器)の日本における臨床使用(保険診療)が開始される予定です。当院は、日本でもいち早く、その使用が学会より承認される予定となっております。